Romanticism

バンギャと若手俳優追っかけと二足のわらじ

業界との邂逅

仕事で某有名劇団の方々と交流する機会があった話。
部署の企画行事で、異業種交流会。異業種交流会といってももちろん巷でやっているものではなく、業務改善のために企業同士の強みを聞きつつ、ワークショップしましょう的なお堅いもの。劇団の方(演者以外の営業、企画、技術等々の方)にとっても異例の対応らしく、貴重なお話を聞けて良かった。

エンターテイメント業界の現状と課題という部分で、その劇団の経営幹部の方の口から「2.5次元ミュージカル」という単語が出てきたときは、心の中でひたすらガタガタしていた。作品か俳優か。これに関しては、制作側のつくり込み具合や予算次第の部分もあると思うけど、消費者として現状思いっきり特定俳優至上主義で申し訳ない。
あと、たまたま自分の好きな作家の言葉を引用をされていて「演劇は文学の立体化」という表現を紹介いただいたのは、非常に印象的だった。演劇の文学性。今まで狭義の定義で「文学」という言葉を捉えていたから、言語表現による芸術という観点で考えたことがなかった。芸術性とエンタメ性のどちらに重点を置くかという目標が、作品重視か俳優重視かという手段にも繋がるのかな、なんて。

日本の演劇は「内需型」というのも面白かった。確かに日本の演劇作品が50年以上海外で上映されているって聞いたことがない。逆はあるけれども。サウンドオブミュージックとか。最近は2.5の海外公演も増えてきている印象だけれど、海外へのライセンス契約ではなくて、単発でこちらから公演しに行っているから、構造は違えど、限りなくインバウンド需要の取り込みと似ていていると思う。観客が多少なりとも日本に関心があるが前提という点で。いつまでもガラパゴス路線。

行事参加にあたって観劇出来ないと知って、がっかりしていたけど、同じワークショップチームにいた劇団の営業、企画の方との雑談も刺激があって良かった。ものの捉え方が現実的なモノをつくる製造業の自分たちと違って、ないものをつくる仕事ってすごいな。ただわたしはクリエイティブな才能がないから、これからも「エンターテイメントはお金で買うもの」主義に徹する!