Romanticism

バンギャと若手俳優追っかけと二足のわらじ

夢現つと歌舞伎町

歌舞伎町で、ストリップとふんどしと、腹筋と美脚と、歌とダンスを観てきた。

ふらっと前楽にお邪魔した。色んな対立軸を詰め込んだ空間に2時間も閉じ込められていたのに、気付いたら何に対してかよくわからないままとても満足して、緩々とした表情で歌舞伎町を歩いていた。

本題のストリップシーン以外にも衣装が次から次にたくさん出てきて、可愛いなあと思いながら、演者たちは冒頭から汗でビチャビチャになりながら演じているから衣装もぐちゃぐちゃ。その矛盾、というか全力投球加減が逆に役の方に重なって、何だか凄いものを見ているという気持ちにさせられた。
もちろん演出や構成は大分荒いと感じる部分もあったけれど、終わったらこれは夢だからいいやと思考をやめた。例えばセンター舞台の活用とか。折角の360度舞台なのに前後ろ左右があまりに明確だった。その一方で、変形舞台のおかげで役者との距離感が変わるという意味では楽しめたのだけれども。細くて美しい脚だと思ってたのに、間近に来るときちんと男性でいかつかった。

あと、これが良かったなと思ったのは、メインの4名が「女の子」を演じていたこと。
若手俳優を使って女装するシリーズや作品自体は新しくないし、お化粧バンドが好きなので、自分のエンタメにおけるジェンダーに対する守備範囲は比較的広い方だと思う。ただ「少女」を描きたい、演じたいという意図が強いと、どうしても観ていて苦しくなることがある。お願いだから「女の子」を演じてくれと思ってしまう。
個人的にずっと少女と女の子は異なるものだと思っていて。上手く言えないけど、少女はより概念的な存在で、女の子は打算的で良くも悪くも賢くてあざとい実体のある存在だと思っている。少女はいずれ女の子になるけど、女の子が少女になることはない的な。
昔、某シリーズで俳優某くんが、脚本演出家の方の個人的な好みを詰め込んだ「少女」役を演じていた。あまりにその方のその役に対する思い入れというか「少女」に対する強すぎる嗜好への嫌悪感が拭えず、今でも私はあの役が苦手である。(ただ、あのシリーズなしに今の演者としての成長や幅はなかったとも思っているので、そこは感謝している)
今回観た作品には「少女」はいなくて、「女の子」たちだけがいた。それぞれに過去があって、何かしらの打算でストリッパーを目指していた。

あれだけ汗だくになりながら演じて歌って踊って、そのままお見送り。演じ抜いたキャストに拍手。過去に俳優某くんが共演した何名かの俳優さんの全く違う演技を見られて良かった。個人的MVPはもちろん圧倒的な存在感の姫華。迷うことなくチップ3枚とも突っ込んだ。

余談: 姫華のポストカードまたは朋美の学生証がご入用の方がいらっしゃったら、お題箱かなにかしらにご一報ください。週末都内手渡しであれば無償にてお譲りいたします。リボンとチップで十分に作品を楽しんだので、おふたりのファンの方がいらっしゃったらお譲りしたい。