Romanticism

バンギャと若手俳優追っかけと二足のわらじ

桜、誠、あたらしい国

久しぶりに舞台でがっつり泣いた。
オープニングの時点で涙腺が緩んでしまって、そこから休憩を挟んでも要所要所こみ上げてきて、こぼれてを繰り返していて大変だった。
基本的に恋愛系の御涙頂戴の作品が嫌いだし、全然泣く作品じゃないのに、妄想補完でぐすぐすとガン泣きする友人を横目にみて逆に冷めてしまうタイプなんだけど(とはいえもちろん何度観ても涙が出てしまう作品もある)、今日は作品のテーマも相まって、こみ上げてくるものがたくさんあった。

桜、誠、あたらしい国。最後に判官贔屓で終わらせなかったことに救われた。激動の、そして苦しい時代を生きて、主人公は「楽しかったなあ」と言っていた。

「嘘さえ本当にする」ことについて。
カーテンコールで「フィクションのある物語が、舞台や劇場という空間ではリアルになる」という旨のコメントが演者の方からあって、その通りだと思った。作品内には、史実の捏造が結構ある。当時の時代背景を考えたら、普通に考えたら、そこの人間関係は絶対にないでしょう!と断言できる設定がいっぱいあった。でも、観てるうちに、もしそうだったら良かったのに、と願わずにはいられなくなる。その瞬間において「本当にする(したい)」力がはたらくなと。

主演の方の声が良くて、本業は声優さんかと思ってたら、アーティストだった。予習不足過ぎて、キャストについては休憩時間に調べたよね。上手い下手は特にどちらも感じなかったから、役に合ってたんじゃないかと。
あと、大御所と若手の役とが上手く歩み寄らせるようなカンパニーで良かった。個人的は若手よりも誰より局長が最高だった。今後テレビで拝見したら、思い出し泣きしそうと思うほどに。

そもそも俳優某くんが出ない作品を観に行ったのは、2.5で観てた俳優の子がストレートプレイでどんな演技をするのかなと思ったから。去年の秋から最速先行でチケットを取っていた。始まったら作品自体に持っていかれて、正直それどころではなかったんだけど。ノリでやり切って笑いを取るみたいなのは、役作りじゃないと若いうちに誰か教えてあげてほしい。

作品は本当に面白かった。満足。時代モノすき。

【追記】
観劇しながら、「PEACE MAKER 鐵 | MAGCOMI(マグコミ)」と重ねていた。今回の作品には市村鉄之助が別にいるんだけど、舞台の主人公のビジュアルイメージは、どちらかというとぴすめの鉄だなと思った。赤髪で小柄。
新撰組がテーマの作品って多いし、司馬遼太郎作品や大河も観ていたけど、キャラ設定としてのイメージの源泉はぴすめ。絵と迫力が好きで鐵なしの時代から読んでいた。作者が暗い先を書くのがしんどくて、結構長く休載していたというのも含めて好き。連載再開したのは知ってたけど、13巻まで出てるんだね。10巻までしか持ってないと思う。買いに行こ。今年昔のキャストのままでアニメ化もするのもびっくりした。