Romanticism

バンギャと若手俳優追っかけと二足のわらじ

真理というか事実

遅ればせながら某球技舞台の6作目に行ったりしてたよの話。東京と凱旋。
はじまりははじまりなんだけど、個人的には根性無しの戦い、の方がサブタイトルとしてしっくりきた。舞台作品としての本編との絡みを考えるとこっちじゃないかなって。もちろん個人的な好みの問題も大いにある。

見せたいのが芝居なのか、アクロバットなのか最早よくわからない作品の中で、2幕の芝居してます、というパートは良かった。熱演。「本人が一番わかってます」のシーンは感情移入して叫び出したくなった。
大嫌いな映像演出との組み合わせのシーンでも、アップになった時の美しさが秀逸。あと本人がどこまで意識してるのか知らないけど、フォーメーションダンスのとき、上半身がブレないのがとても印象的だった。それが役に合っているのと、体幹が良いんだなあと。
本人の印象は8年前のふわふわのかわいこちゃんだったのに、個性派というかとにかく器用という一言に尽きる。どんなことも出来るけど、それを邪魔しない自分自身がある。ああいうタイプは精神的にも折れにくそう。

このシリーズは初演からダラダラと観ていて、演出がどんどん自分の趣味から離れているのが分かるのに、劇場に足を運んでしまうというジレンマ。
演出もさることながら、基本的にキャスト変更された役の存在感が空気になってしまうのと、あれだけ叩かれたキャストを降板させないどころか新たな役を与えるという依怙贔屓するのは本当にどうにかしてほしい。元々そんなに好みではないキャラクターに心揺さぶられたり、気づきがあるのが、原作の良いところだと思っていて。「どの子も愛おしいな。いいな。自分も高校時代に戻りたいな」と思うんだけど、どうしてもこの舞台だと、そういう気持ちにはあまりならなくて定点カメラになりがち。

クロバットよりダンス、ダンスより演技が観たい。シリーズとして依存度が上がってきているキャストの映像多用と、演出としての台詞のテロップは絶対に「演劇」として認めたくない。そんなこともあって、総じていうとわりと微妙だった。初演はこんな演出方法があるのか、と思いながら観てたのに、と思う時点でもう見に行かなきゃ良いんだけど、ほんの少しの期待を捨てられず行ってしまう矛盾。それこそ「本人が一番わかってます」。