Romanticism

バンギャと若手俳優追っかけと二足のわらじ

優しく甘い地獄

某多才なご兄弟のイベントにゲスト出演していたので、参加してきた。楽しかった〜!やっぱり時間を操る魔術師だと思う。あんなに濃い内容で70分ちょっとなの嘘でしょ。時間の使い方って大切。

開演前のBGMに公演SEが使われていたのだけど、単純だからそれだけでテンションが上がった。公演の場面が思い出せて始まる前から楽しかった。
今週行った箱で友人と話していて、ライブも然りだけど、SEも本当に大切。ただのback sound じゃないから。そこも含めてだから。某昭和歌謡が懐かしいよ、14年通ってる某盤!!!話が逸れた。彼らの今週のライブは本当に楽しかったから、別途感想をあげたい。このイベントの前に歌劇関連でも雪外箱と花本公演を観たのに書けていないから、予定は未定。

標題はエンターテイナーな弟さんのこと。
観客が壇上に上がって、かつ名前を晒すというコーナーがあって(言い方)、ご本人のファンの方が立候補された時に、その方の名前をね、エンターテイナーが即答するの。そしてさらっと「俺、自分のファンの名前覚えてるから」って。衝撃だった。変にファンを差別区別しないからこそ、認知してるということを周知の事実に出来てしまうのかと。そこまで考えての発言だと信じてるし、彼のファンもそこに不満はないんだと思っている。
それを見て、自分も彼のような方のファンになりたいけど、絶対になれないなと思った。俳優某くんが可愛がっていただいていることを抜きにしても大好きなんだけど。ファンというアイデンティティを持てるかは別かなと。ただただ優しすぎる地獄。嫌いになれない地獄。投げかけた愛より大きな愛を返してくれるから、興味が薄れたとき振り返ったら、自分自身の非を認めなきゃいけなくなりそうで。終わりが怖くなりそうで踏み込めない。バンドとかも曲が好みじゃないとか言って常に上がる余地を残しておきたい派だから。彼の優しさに触れたら溺れてしまいそう。ファンと名乗れたりしないけど、でも好きです。

対してお兄様も本当に本当に素敵な方で大好きなんだ。もちろん土台は、お二人がそれぞれ俳優某くんを可愛がってくださってるからなんだけれど、舞台にいらっしゃると別の好きが出てくる。前にも書いたことあるけど、個人的にはルーツと反して、役者である弟さんはエンターテイナーとして、長きに渡り某事務所にいらっしゃったお兄さんは役者として好きなの。それでどうして自分がお兄さんは役者として好きなのか、今回ようやく分かった。トークを聞いていて、あの方の言葉選びや瞬発力の良さに惹かれるんだなって。たとえ話の選び方のポイントとか、ゲームでの察しの良さが素敵だなって。これまでのご経験を以って、作品以外でも表立って活動されるようになったということで楽しみ。

ここまでで終わると何の話だってなるから、もちろん目当ての話もする。おまけなんかじゃないよ。足を運んだ目的だから。トークの間が上手いと思うようになったのは一体いつからなんだろう。トークで後味が悪いなと思うのが、自己主張だけしてどうにか傷跡を残そうとするタイプ。話す内容の主体が常に自分で完結しちゃう感じ。元々そういう主導権を握りたがるタイプではないことは分かってるんだけど(応援し始めて10年経ってるのに、そこを見誤ってたらそれはそれですごい)、ふと話広げてみたり、上手に繋いでいた。
この作品では、若手ではなく中堅として立ち回りしたり、相変わらずいつもの先輩方に可愛がられていたんだなというのを随所で感じられて新鮮だった。もちろん本人が、年下が増えてきてという話をしていたり、いつもの呼ばれ方(あだ名というほどあだ名じゃないのでこの表現)を最近されなくなってきたということを言っていたりするから、若手俳優界隈でのポジションも把握してはいるけど、稽古中の話とか聞くと本当にそうなんだーって。
 
状況によっての立ち位置の調整って、普通の生活でもとても大切だと思っている。自分が営業をしていた時は、基本的に「自分が売る」「自分が仕組みを作る」の姿勢で貫き通せたし、それで良い時も悪い時も目に見える形で結果が出たけど、今の仕事は自分の発言が今後どう影響するかを考えて、都度瞬時に「演じ」ないといけない場面もあるから、カンパニーごとにそういう調整が必要な役者って大変だなーって。例が良くないけど、自分がついた嘘は、半年後も論理的に貫き通さなきゃいけないことがあるので。ボーッとしてるとすっかり忘れて墓穴掘ったり、全く聞いてなかった前任者のそれも躱さないといけなかったり。それが人間関係メインで作品を作り上げるという工程だと、舞台上以外で作り込みすぎるのも違うだろうし、自然体も違うだろうから難しそうだなって。そんな中で「上手く」やってる一面が垣間見られたのは、新鮮だった。一方で相変わらずダンスは苦手、シンメが某事務所のアイドルで大変だった、最前の自分が間違えると後ろも全員崩れると漏らす姿に安心したのも事実。いい大人に対していう言葉ではないけど、まさに「誰か」の歌詞を借りるなら「君だけは大人にならないで」である。