Romanticism

バンギャと若手俳優追っかけと二足のわらじ

燃え尽きた(追記あり)

再演が終わった。たくさん笑った。素敵な作品をありがとうございました。何が良かったのかなあと漠然と考える。

作品の有限性
映像化しない、この話で完結、公演期間6日間という有限性が好き。
このスタンスは前回もあったから、そもそも再演自体がかなりびっくりだったけれど、次がないから今観に行かなくては、という舞台の「当たり前」を再認識させられた。
土日公演が1度しかないと、正直結構無理することになる。言い訳をするつもりはないけど、そこそこ仕事人間なので、気ままだった学生時代とは違って、何かを犠牲にしないと平日公演を観には行けない訳で。連休に重なっていたり、複数回土日公演があると、2回じゃ足りないけど、複数公演確保できればまあいいやと思ったりもする。
ただ、この作品に関しては妥協したくなかった。限りがあるから、行けるだけ行かなくちゃと駆り立てられながら過ごした公演期間だった。

100分の濃さ
100分しかないのにこんなに内容が濃いのかと、回数を重ねるごとに実感する作品。濃いのもあるけれど、時間感覚がなくなるという方がしっくりくる。たった100分なのに色んな種類の1対1の人間関係がみえてくる。ついでにキャストが2人変わっただけで、個々の人間関係がこんなに違ってみえるものかと。
時間の濃さについては、この作品の演出家さんが関わる作品やイベントを観るたびに感じるから、個人的には彼が裏方に回られる時には「時間の魔法使い」と呼んでいる。表の時は、前にも書いた通り「エンターテイナー」。
ちなみに2時間弱だと合間と観劇後の時間も有意義に使えるので、とてもありがたい。合間に手紙を書くにも十分だし、ふわふわした気持ちで美味しいお酒が飲める。

やっぱりアクション万歳
2回あるナイフの持ち替え。超かっこいい。
この作品には、作品の見せ場として俳優某くんの殺陣がある。立場上、挑む形の俳優某くんは隙あらば、リーダー格の対決相手は一撃を狙うという攻撃スタイルが殺陣のシーンから伝わってきて、一つひとつの動きにも魅せられる。攻撃のバリエーションにも富んでいて、飽きない。昔映画の喧嘩シーンで、猫パンチと言われた連続パンチは、8年経った今でも猫パンチのままで笑ってしまうけど、体全体を使う動きにキレがあっていい。俳優某くんを褒めるのに「動きのキレ」という単語を使う日が来るなんて、横浜アリーナワールド記念ホールでは思ってもみなかった。感慨深い。

一人称の非統一性
基本は「俺」だし、それがキャラ的にもしっくりくるのに、作中で3回だけ「僕」という一人称を使う。突然変わった印象的だったから、もっと言ってるかと思っていたけど、ちゃんと数えたら3回のみ。そこから理由を考えに考えたけど、結論から言うと、どういうタイミングで「僕」を使うのか考察出来なかった。

僕の唯一の友達なんだから

僕は冗談のつもりだったんだけどなあ…誤解を解いた方が良さそうだね

僕の意見に従わないなら、仲間じゃない

初めは「友達」と「仲間」という俳優某くんの役が言うには白々しい単語とセットの時かと思ったら、「俺たちは仲間」という台詞があったり、2つ目にはそういう単語がなかったから証明失敗。お客様の中でどなたか他の考察された方いませんか!気になるよう。

俳優某くんが最高という話
共演者の方が小道具を蹴っ飛ばすというシーンがある。ある公演で欠けてしまって大きな破片が床に落ちた。それを俳優某くんは即座に足で隠そうとしていた。そのとっさの判断、最高じゃない???もちろんその直後に自分の激しい殺陣があるから危ないんだけど、瞬発的にその判断するのを見られてテンションが上がった。この作品ではないけれど、共演者が台詞をちょっと飛ばしてしまったときに、俳優某くんが自分の台詞を上手く変えて、筋が通るように対応したときのことを思い出した。ふとした行動であってもこの瞬発力すごくない???やっぱり俳優某くんが好きだなあって思った。ちなみにきちんと欠けた部分も同日公演では修理済だった。

いつかまたどこかで、この役の俳優某くんに会えたらいいな。演出家さんのイベントとか。
と酔っ払いが電車に揺られながら、独りごちる日曜日。美味しいご飯をご馳走になってるんるん。3軒まわってダッシュで終電。

 

3/19 お題箱返信 追記

共演者の方が小道具を蹴っ飛ばすというシーンがある。ある公演で欠けてしまって大きな破片が床に落ちた。それを俳優某くんは即座に足で隠そうとしていた。そのとっさの判断、最高じゃない???

学芸会じゃないんだから、普通。
金とってる舞台なら普通。
こんなレベルのことで持ち上げるファンがいるから、いつまでたってもあの程度の芸なんだなあ。
若手俳優」さんたちは気の毒だね

わざわざ引用しての投稿ありがとうございます。
「こんなレベル」と捉えるのは、感性の問題だから投稿者さんにとってはそうなのかなあと。書き手としては、瞬発力について述べたまでなので、別に舞台上に放置しなくてすごいね、という話ではない。むしろ後者であれば、学芸会でも誰かがどこかのタイミングでどかしたり、拾うんじゃないかな。最高と言ってるのも、予想外を見られたことに対してなので、随分ハプニングばかりの舞台を観劇されているんだなと。
若手俳優に関わらず、エンタメ産業の本質は、需要と供給のバランスだと思っている。大量消費の典型。以下は仮定の話。例えば役者の高い演技力を全く評価できないファンばかりがついているなら、その役者に対する「気の毒」も少しは理解できる。ただ、仮に本人もファンも投稿者さんのいう「あの程度」という範囲内に落ち着いているなら、別に市場価値としては問題ないのでは。むしろ経済的には効率が良いくらい。その上で、ファンに媚びて低いレベルで留まるか、向上心高く研鑽を積むのかは、役者次第であって、ファンの期待レベルとはまた別かなと思った。
ついでにいうと、個人的には観劇に際して、高尚な演劇性を期待している訳ではないのが本音。お金を払って、自分の期待値に見合う満足感を得られる時間が欲しいだけ。応援している俳優が上を目指していて、そういう方向性を求めていないファンがいるのはそれこそ「気の毒」だけど、それは本人たちのみぞ知るなので、外野が気の毒がることではないなというのが、私見。いや、観劇について、ちょっと考えさせられた。ありがとうございます。ただもうちょっと論点をまとめるか、内容を論理的にしてほしい。最後に対象が複数になった時点で論点がずれてる。

まいこのお題箱